3月30日:暮らし歳時記「美しい日本語」
2023.03.30.07:26

「花冷え(はなびえ)の頃ですね」
寒い、暑い・・・季節によって冬の寒さや、夏の暑さを、誰にも分かる標準的な表現が存在しますよね。
でも、日本語はそれとは別に、美しい言葉で表現をすることがあります。
特に、俳句の「季語」に用いられる言葉に多いように感じます。
この冬から、春にかけて急に寒くなるころをこんな呼び方をします。
「花冷え(はなびえ)」です。
こんな俳句を見つけました。
「花冷えや籠にゐるのはひばりの子:久保田万太郎」

花冷えは単に「寒い」と表現するのに対し、私たちの情感に訴え、美しく寒ささえ表現をします。
「花冷え」とは、花見の季節の寒の戻りのことを「花冷え」といい、手紙を書く時の時候の挨拶にも使われます。 花冷えという言葉は、だいたい3月下旬~4月上旬に使われることが多い表現です。
例えば同じ寒さでも、本格的な芯からの寒さは「底冷え」ですし、秋口、また春先の寒さは「肌寒(はだざむ)」と使い分けることがあります。
ねっ、日本語って奥ふかいと思いませんか。
花冷え、これからこんな美しい季節が訪れますね。
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